入社前研修は、内定者同士の連帯感を生みだし、内定者を囲い込み、内定者のモチベーションや能力をアップするなどの意図があります。この研修に関して、内定者に給与を支払う必要があるかに関しては、研修時間が労働時間に当てはまるかによります。
労働時間は、「労働者が使用者の指揮命令の下に置かれている時間」で、参加が強制になっている研修は、労働時間に当たります。この事例のように、内定者の全員の参加を強制し、入社後必要な技能・ルールの習得を目的とする研修は、手当を支払わなければなりません。
希望している人のみを対象にし、参加をしなくとも入社後の条件・業務には影響がない研修(先輩社員との親睦や一般教養を身に着けるような研修など)の場合は、手当の支払いはしなくても大丈夫です。
入社前研修に対する給与は、入社後の給与と同様に支払わなくても構いません。最低賃金の下になることは不可能ですが、「研修手当」として普段の給与より低く定めた金額で支給する会社のケースが多いです。アルバイト代として処理する場合もあります。