従業員を募集するとき、告知文句として「男性歓迎」を入れようとしています。この文句に問題はないのでしょうか。

入社退社

従業員の採用・募集をする時に、性別を事由とすることは男女雇用機会均等法第5条によって禁止されています。法令によると、「事業主は労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない」とされ、詳しくは下記のような禁止事項が挙げられています。
(1)採用と募集の対象から男女のどちらかを排除していること:「○○レディ」「女性向の職種」「営業マン」「ウェイター」などの表記をする
(2)採用と募集を行う時に男女のどちらかを優先していること:女性の選考を終えてから男性の選考に取り掛かる、男女別採用予定人数を明記する
(3)採用と募集の条件を男女で違うものにしていること:女性にだけ結婚予定などを聞いたり自宅通勤を条件としたりすること、応募が可能な年齢の上限を男女別に異なる
(4)採用選考の時、資質・能力の有無などの判断の基準・方法について男女違って取り扱うこと:男性だけ筆記試験を行う、合格基準が男女で違う試験を行う
(5)求人内容の説明など情報の提供に関して、男女で違う取扱いを行うこと:資料の送付時期を女性だけ遅くする、男性だけに詳しい会社案内を送るなど

なお、性別の関係のない運用・制度でも、間接的に男女差別をする可能性のある措置に関しては、男女雇用機会均等法第7条に基づいて「間接差別」として禁止されます。
(1)採用・募集の時に、労働者の体重や身長、体力を要件にすること:運搬するための設備が揃えられていて筋力が必要ないのに、一定を超える筋力を条件にする
(2)総合職の労働者の採用・募集の時に、転居に同伴する転勤に応じることが可能であることを条件とする:現在は展開する支社などが無いのに、転勤に応じることが可能であることを条件にする

男女雇用機会均等法は、機会を均等にするものであり、結果まで均等にするものではありません。このことから、公正な判断の結果が男性だけ・女性だけの採用になっても、均等法を違反しているとは言えません。