派遣社員は、派遣会社の従業員で、派遣社員の従業員ではありません。派遣会社と派遣先の間で締結された労働者派遣契約にしたがって、派遣先の会社から命令・指揮されて就労します。労働者派遣契約に決められた業務の範囲を超過して仕事を命令し田場合、派遣社員はこれに従わないことができます。
派遣社員を受け入れる時、就労させる業務の内容や就業の条件を明らかにすることがポイントです。さらに、自社の従業員にも、派遣制度に関する説明や派遣社員の業務範囲を知らせることが重要です。「派遣先が講ずべき措置に関する指針」(1999年労働省告示第138号)から、下記の措置を設けるようにされています。
1.就業状況の報告:派遣労働者に直接命令・指揮をする人から、定期的に対象派遣労働者の就業状況に関して報告を要求すること
2.就業場所の巡回:派遣労働者の就業場所を定期的に巡回して、対象の派遣労働者の就業状況が労働者派遣契約を違反していないかを確認すること
3.就業条件の周知徹底:労働者派遣契約の規定による就業の条件に関して、対象派遣労働者の業務遂行を命令・指揮する職務上の地位の人や、その他の関係者に対して対象就業条件が載せられている書面を配るか、就業場所に示すなどの方法をとって、周知を徹底にすること
4.労働者派遣契約の内容の遵守に関する指導:派遣労働者とその人に直接命令・指揮をする人に対して、労働者派遣契約の内容に反することになる業務上指示をしないようにすることなどの指導を徹底にすること