社内恋愛に関しては、社内で様々な制限を設けるケースがあり、もし社員が違反したら、超買う処分や配置転換をする場合もあります。
社内恋愛を禁止したい理由としては、
*セクハラの予防:社内恋愛がこじれた場合の訴訟の根拠になりやすい
*情報漏洩のリスク:恋人の上司からの機密情報の漏洩、情報不平等の発生
*職場の秩序・風紀の維持:痴話喧嘩や職場内でのベタベタの状態を他の社員に見せることで悪影響の発生
しかし、恋愛は基本的に個人の私生活の範囲に入り、そのものを会社から禁止するということは不可能です。就業規則に社内恋愛の禁止の定めを入れても、それに基づいた懲戒は協力を失う可能性があります。
どうしても禁止したいのなら、各個別な問題に対して対処する方法が考えられます。例えば、実際に業務に差支えが出た時、詳しい行動に対して指導夜処分を行い、恋人の成績を上げさせるために情報の漏洩した時はそれに対しても注意や指導を行うようになります。
それに、就業規則に「個人的な恋愛感情が元になり、職場の秩序・風紀を見出さないこと」などの服務規律を入れることは問題がありません。
*過去の裁判例:繁機工設備事件(1988年12月27日 旭川地判)
Y社に務めていた女性社員Aと、既婚者である男性社員Bは不倫関係で、Y者代表はAに対して社内の秩序・風紀に悪影響を与えたことを理由として解雇の通知しました。これを受けて裁判では、不倫は不法な行為であっても、その行為が企業の運営に詳しい悪影響を与えたことが証明されないことから、解雇の処分の効力を無くしました。
「Aが妻子あるBと男女関係を含む恋愛関係を継続することは、特段の事情のない限りその妻に対する不法行為となる上、社会的に非難される余地のある行為であるから、Y社の就業規則の『従業員が素行不良で職場の風紀・秩序を乱した場合には懲戒をなし得る』の『素行不良』に該当し得ることは一応否定できない。
しかし、上記規則の『職場の風紀・秩序を乱した』とは、これが従業員の懲戒事由とされていることなどから、Y社の企業運営に具体的な影響を与えるものに限ると解すべきであるが、AとBの交際がY社の風紀・秩序を乱し、その企業運営に具体的な影響を与えたと認めるに足りる疎明はない。」