入社する前に研修を進行している途中、参加者が怪我をしてしまいました。これは労災になるのでしょうか。

入社退社

入社前の研修の事故は、その内定者に労働者性があるかによって労災保険の適用が決められます。もし、その研修の参加が任意で、マナーや一般常識の講習を教えるための研修である場合は、労働者性がないと認められ、手当が支給されても恩恵的なものとなります。しかし、会社には安全配慮義務があるため、その災害に会社側の責任があれば損害賠償を負う可能性があります。
過去の裁判例でも、安全配慮義務に対して下のように定めています。(自衛隊車両整備工場事件;1975年2月25日 最高裁)
「ある法律関係に基づいて特別な社会的接触の関係に入った当事者間において、その法律関係の付随義務として当事者の一方又は双方が相手方に対して信義則上負う義務として一般的に認めれるべきもの」
一方、参加が義務となっていて、入社してから必要とされる業務知識などの研修である場合は、その研修は労働時間となり、給与の支給もしなければならなくなります。
また、労災保険の適用対象になるためには、下記の要件が必要となります。
(1)業務起因性:災害が生じていた時に労働者が使用者の管理下・支配下に置かれていること
(2)業務遂行性:災害と研修との間にある程度の印加関係が認められること