給与などを含めた労働条件を切り下げることは、一方的に行うことが不可能となります。各従業員の同意を得てから行うことが原則で、後のトラブル防止のため、各従業員の同意を書面で得ることがポイントです。
その時は、自社の状況を納得のいくように説明し、給与をカットする必要性について理解してもらい、これからの再建計画に関しても議論をしなければなりません。たとえば朝礼で給与をカットするという内容を伝達するだけでは、不十分であると考えられます。
さらに、給与カットの額数にも注意しなければなりません。一律2割カットなどの場合は、合理的でないと認められる可能性が高いです。カットの範囲に対する法律規定はありませんが、通常1割を超過するカットは社員の生活に大変な影響を与える恐れがあるとし、望ましくないことになります。
*労働基準法第91条:就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期の賃金総額の10分の1を超えてはならない。
カットの場合は、経営責任を持つ役員の給与だけをカットするか、カットの比率を地位によって差を置くなどの方法があります。
給与カットは、基本給より手当などから行う方が影響が縮小されます。
給与カットは、いかなる事由であっても全社員の最低限の生活を保障するように行うことが大事です。